改定率が0.70%となった、令和3年の介護報酬。今回の報酬改定のポイントはBCPとも深く繋がりのある5つとなっています。まずは、「感染症や災害への対応力強化 」です。特に新型コロナウィルスの蔓延により、感染症への対策強化が義務化されたことが大きな変化の一つです。さらに業務継続に向けた取組の推進や地域との連携強化も盛り込まれており、災害時にいかに迅速に事業を回復できるかへの対策が焦点になっています。
次は、「地域包括ケアシステムの推進」です。主な改定ポイントは、認知症への対応力向上や看取りに対する取り組みの充実です。これは国が目指す「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みで、重要なサービスが途絶えることなく供給される仕組みの強化を目的としています。
「自立支援・重度化防止の取組の推進」が3つ目の改定です。介護サービスの評価や寝たきり防止に対する取り組みの強化などに関連します。令和3年からは、それらに関するデータベースが一つのシステムに統合されています。
そして4つ目は、「介護人材の確保・介護現場の革新」です。圧倒的な人材不足が深刻化している介護業界では、急務として取り組むべき内容です。改定ポイントとしては、テクノロジーの活用や介護職員の処遇改善などです。
最後は、「制度の安定性・持続可能性の確保」が挙げられます。少子高齢化によって、介護保険制度の問題点が話し合われる中で評価の適正化・重点化が改定ポイントとして新たに設けられました。