大きく分けていくつかの予期せぬ災害を想定している、介護施設のBCP策定。一つはパンデミックのような伝染病対策、もう一つは自然災害の被害を受けた時です。豪雨や洪水、台風や地震など世界中で温暖化による被害が相次いでいます。
東日本大震災からまだ11年ですが、大きな災害が起こっても速やかに回復できるような体制を普段から作っておくことがBCP策定の目的です。学校でも避難訓練が行われるように、介護施設のBCP策定は入居者さんの安全を守るための訓練マニュアルでもあります。
具体的には、現状の把握、想定できる災害とそれに必要な準備、優先順位の業務や対策を決めておく、そして策定したBCPに基づいてシミュレーション(訓練)を定期的に行う、というものです。
自然災害はどこにいても被害を受けないとはいいきれません。しかし、BCP策定をすることで今の現状には何が足りないか把握できますし、定期的な訓練や研修会を開くことで個々の意識が高くなります。日頃からの対策があれば、仮に自然災害が起こったとしても迅速に、的確に対応することができるでしょう。
過去の経験を生かして入居者さんのライフラインを守るために作られたBCP策定は、事業者だけでなく介護施設に関わる全員が理解していなくてはなりません。また、自然災害時は様々な破損や損失が伴う場合があります。BCP策定の認定では、税制優遇や補助金などもでる自治体があります。そのため、最初は時間がかかるかもしれませんが、早めに認可を得て常に危機管理を行うのが良いでしょう。